小説(雷霆) | ナノ
魔物遣いの少女(34/41)
 
「おめぇら、随分と悠長じゃねぇか」

「みんなに迷惑かけてお仕置きだよっ!」

「数々の悪事、もう許さないからな!」

 連ねて言われた口上。一瞬、驚きに動作を止めたカンダタだったが、マスク越しでも分かるくらい目を見開くと、後退する。

「あーーーーっ、貴様等は! ロマリアん時の小僧とチビ助! それに、魔物女!」

「覚えてたか。満更バカじゃないんだね」

「チビ助言うな! ド変態が」

「誰が魔物女よ、変な呼び方しないでっ」

 問答無用と、三人三様に武器を掲げた。

 危うしと見たのだろう。舌打ち一つ、手を挙げて手下達へ、合図をするカンダタ。
 首領の号令に従い、甲冑達は剣を構えると、ライ達へ向かって襲い掛かってきた。

「はっ、邪魔臭ぇ。消えな」

 紅玉は既に、魔力が纏っている。

 渦巻く瓦斯……唱えと同時にニノが杖を振るえば、甲冑らの中心で爆発を起こす。
 得意の爆発呪文“イオ”。威力のほどは凄まじい。塔全体が、大きく横へ揺れた。
 


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