cross×時空間の果て×cross | ナノ

cross×時空間の果て×cross(64 / 65)

 
 煉瓦家屋の二階部分、背中から壁に激突して、今度は重力の法則に従って、地面へと打ち付けられた。忽ちに血の海である。

 眼前に煌めく川と手を振る人々の光景が広がって見えたが……多分、幻覚だろう。

「如何なる理由で宝石を略奪したか、正直に吐け。事の次第によっては、許さんぞ」

「つか……回復。マジで……ヤバい」

 鬼神のオーラを放つリョウは、仁王立ちだ。その背中から、ライが顔を覗かせる。
 助けを請うために、地面を這うニノだったが、途中で限界に達し、意識を失った。

(リョウってば、加減を知らないよね)

 さすがに気の毒になったのか、ニノを抱き起こすと、手の中から何かがこぼれる。

「あっ……これ」

 ……ペンダントだった。

 惑星の形に整えられた青金石。それから吊り下がるのは、純銀枠に填まる菫青石。

 二本の玉鎖は螺旋状に絡まる仕様。

 ペンダントが表す形。それは、ルティア達との“絆”を体現させたように見えた。
 

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