煉瓦家屋の二階部分、背中から壁に激突して、今度は重力の法則に従って、地面へと打ち付けられた。忽ちに血の海である。 眼前に煌めく川と手を振る人々の光景が広がって見えたが……多分、幻覚だろう。「如何なる理由で宝石を略奪したか、正直に吐け。事の次第によっては、許さんぞ」「つか……回復。マジで……ヤバい」 鬼神のオーラを放つリョウは、仁王立ちだ。その背中から、ライが顔を覗かせる。 助けを請うために、地面を這うニノだったが、途中で限界に達し、意識を失った。(リョウってば、加減を知らないよね) さすがに気の毒になったのか、ニノを抱き起こすと、手の中から何かがこぼれる。「あっ……これ」 ……ペンダントだった。 惑星の形に整えられた青金石。それから吊り下がるのは、純銀枠に填まる菫青石。 二本の玉鎖は螺旋状に絡まる仕様。 ペンダントが表す形。それは、ルティア達との“絆”を体現させたように見えた。