「良かった、戻って来られて」腰が抜け、ヒバナが座り込む。「大丈夫か?ヒバナ」「ええ。平気よ…これからじゃないかしら?大変なのは」レイの気遣いに、ヒバナは気丈に返す。曾祖父とは違う魔法に触れ。彼女はまた一つ、魔導への理解を深めたようだった。「……ルティア?」「サザル。ライのホイミ、心地良かったでしょう?」心配して覗き込んだ緑の瞳。ルティアは久しぶりに、その視線を正面から捉えた。「ええっ!どうして今、そんな事聞くの?」慌てて赤面する、同じ香りを纏う彼。ルティアは満面に微笑む。(いつも私ばかり、動揺させられてるし。たまには、ね)