◇夜の自警団◇ 右手を差し伸べたルティアだったが、少女の方は、というと……ジッと、額飾りを見つめながら、眉毛をハの字にしている。「僕と同じ物?? でも、色が……」 考えに囚われると、それにしか意識が向かないのが少女の悪い癖である。ニノに突っつかれたことで、ハッと、我に返った。「あ、ごめんなさいっ。僕は、ライです。 えっと、巻き込まれたって事は……」 言いながら、ニノの方を見る。実は余り理解しきれてない様子。“助けて”と言わんばかりの顔を見て、ニノが眉を顰めた。「馬鹿じゃねぇの? 分かんねぇで、のこのこ飛んできたのかよ。しゃあねぇな」「なっ、だったらニノが説明すればいいじゃないか! 僕は、お前と違って……」「あ〜煩ぇな、喚くなっ! ったく、面倒臭ぇ。取り敢えず、あんたら全員外出な」「あの……ちゃんと説明してもらえませんか? 時空通路の事、それに彼女の事も」 自己中なニノに、物ともしないルティアが行く手を阻んだ。彼女も、またライに対して、不思議なものを感じ取ったらしい。「あ? 説明すっから、お師匠んとこに連れてくんじゃん。鈍いな、あんた」 逐一、癪に触ると、サザルを始めとする面々が怒りを漲らせたのは言う迄も無い。