cross×時空間の果て×cross | ナノ

cross×時空間の果て×cross(6 / 65)

 
 ◇杜 夏月◇

「と、とりあえずさ!自己紹介だよね?僕は、サザル。元は僧侶だったんだ」

あまりの場の盛り下がり様に、動揺しつつ。
金髪の少年、サザルは切り出した。

離れた場所(最初に陣取っていた席だ)に戻ったニノは…
聞こえているのかいないのか。
こちらに目もくれず、コップの中身をちびちびとやっている。

「俺は、レイだ。商人をやっている」

「私はヒバナ。魔法使いよ。ねえ?あなたも魔法使いよね。その杖…それにあなたのその瞳。どちらも、ひいじいの文献で目にした記憶があるわ」

銀髪の青年・レイ、そして自身を魔法使いと名乗るヒバナの話を聞いても。ニノの関心は何処かへ行ったままだ。
ちらりともこちらを見ず…遂には毒を吐いた。

「お勉強だけ、幾らできたからってよ?魔法使いとは言えねんじゃね?ルーラもまともに出来ねぇ魔法使い?はっ、聞いたこたねーな」

ニノの言葉に、レイが立ち上がりかけたが。それを制して、黒髪の少女が立ち上がった。

「私は、オルテガの娘…ルティアです。お名前を聞いても良いですか?魔法使いさん?」

黒い瞳に射るような強い意志を込めて。
ルティアはニノに尋ねたのだった。
 

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