02
「仕方ないさ、クーラーが壊れたんだ。少しぐらい我慢してくれ。俺だって死にそうだ。
全くどうかしてるーー」
しかめた顔に言いようがなくて噴き出す汗を拭った。
せめてタオルが欲しい。冷えたミネラルウォーターもあれば言うことなし。
それからしばらくしてやっとお呼びがかかった
「やっとか…くそ。ありえねぇぜ!!電気屋のヤツ、30分のロスだ…」
いらいらとガムを噛んでいる彼は最早堅気には見えないと内心ぼやく。
立ち上がって歩き出す。クーラーはきちんと直っているんだろうか。
時間よりもそっちの方が重要問題だろう
隣でぶつぶつ文句をいう男の気持ちも分からんではない。
しかしはっきり言って暑さにバテたいまはうるさいだけだった。
「何で壊れたんだろう?」
今の時期に家のクーラーが壊れたなんて笑えない冗談だ。
少しでも風にあたろうと広場まできたが正直変わんない。
むしろ、となり彼が居なかった家の方が断然いい
[*前] | [次#]
- 2 -
<<