秋、図書館
"レストレンジって言えば悪の代名詞みたいなもんだ。
死喰い人でアズカバンにいて、例のあの人の信仰者だ。
そんな両親をもった奴が同級生だなんてまったくドラマにもほどがあるぜ。
いつも大抵マルフォイとつるんでてスリザリンで、背が高くて、無口なやつだ。
でもそれ以外はしゃべってるのは見たことない。たぶん。
だからここから見える図書館の一角であいつもあんなふうに拗ねたような顔するんだ。なあって俺はすこし驚いている。
マルフォイと一緒にいるらしいけどなんか押し問答してる。
それがまた次の瞬間楽しそうな笑顔になるから、どひゃーってなる。
何なんだいったいぜんたい。
やつは本を抱えて図書館から出て行った。
うーんなぜかとてもファンタジーな気持ちだ。
レストレンジが持ってったの明日までの課題の本で、なんかさらにあいつって実はずぼらなのかと失礼なことを思ってみたり。
だってレストレンジって案外普通の子だな、おっどろきー。
そうだ今度話しかけて…
は止めとこう。
俺は背伸びしながら今日は空が青いなあなどと柄でもないことを考えて早々に図書館を退室した。
(それでもやっぱり話しかけてみようかな。)
(勿論マルフォイはぬきで。)
季節×長編
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