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冬の隣人
 「奇遇だね!」


あ、またいる。

玄関を開けて外にでると必ずこいつがいるんだ。


赤のマフラーばっちりまいて、鼻まで赤くしながら毎朝僕を待っている


僕が家から歩道に出ると少年は、さも当然のように並んで歩き始めた



「奇遇って、いつも出待ちしてるよね。寒く無いの?」



季節はとうに秋を過ぎて雪がほんのり積もっている。
密かにこの寒さや雪の白さ、残る足跡が好きな僕は本当は学校まで一人きりで行きたいと思っている。



「だってクラスメートだろ、僕ら!」


「朝から元気だね」

それだけが取り柄だから。
嬉しそうにそういって雪玉作って遠くのポールに当てている。

かなりの確率で当たるそれに感心しながら、そういえば昨日どんな話しながら学校行ったっけ。
とぼんやり思う。


エイミー・ロゼフが校長の車に「私はゲイです。」と落書きしたこととか話した気がする。



そうこうしている間に学校の門の前についた。


「じゃ、明日も君んちの前で」


駆け出した少年は友達と一緒に輪の中へ入っていった。
雪合戦の玉が飛んでこないうちに早々に退場しようと思う。

手袋を忘れてしまったから僕の手が真っ赤。今日って雪かき当番なのに。
ついてないなあ


「手袋忘れた?」

「雪合戦は?」


「僕も忘れた。それに同じクラスなんだから僕も雪かき組」


早速仲間が見つかった。
朝よりさらに真っ赤にした鼻が痛々しい。うわあ、もうこの人服雪だらけ。中にも入ってる、雪。

なんかこの人変だ。やっぱり
僕の苦手なタイプ








「さぼろうか。」




僕から隣人への初めての誘い。

それでもどこか君に惹かれているのも確かだよ





(雪合戦しようよ!)

(僕球技苦手だから)

(…雪合戦って球技?)

(…ほっといてください)
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