何て理不尽な


私は、れっきとした21世紀生まれのJKつぐみ。前世で何か悪いことをしたための因果応報なのか某青い猫型ロボットにでも呪われてるのかはわからないけど、気付いたら戦国時代にすっ飛ばされてた哀れな女だ。


いや戦国時代に飛ばされる因果応報とか猫型ロボットの呪いとか知らないけど、そんなん聞いたこともないけど、そんな風に思わないとやってけないんすよマジで。


しかもいた場所が何故か戦をしていたらしいお偉いさんの陣のど真ん中。あ、死んだわ。これ死亡フラグだわ。


私の格好は高校指定のブレザーに革のバック。21世紀ならありふれたこの格好も、16(15かもしれない)世紀じゃただの不審者。陣中に突然現れたこともあって直ぐ様捕まってしまった。



「元就様、不審な人物を捕らえました!」


「不審人物だと?」


「はい!突然陣中に現れ、しかも着ている物は南蛮の物のようです!」


「……興味深いな。其奴を此所へ持ってこい。貴様らは下がっていろ」


「「はっ!」」



ぐい、と髪をひっつかまれて、一番偉い人らしい"元就様"と呼ばれていた人の前に引きずり出された。ちくしょう乙女の髪引っ張りやがって、死んだら取り憑いて呪ってやるかんな!


そんな考えは、"元就様"を見上げた途端にお空の彼方にバイバイキンした。


オクラみたいな兜にカボチャみたいな袴、戦国時代なのにハイヒール(っぽいブーツ)、傍らにあるフラフープみたいな形の…多分刀。


それだけならただのユニークの塊、状況も忘れて噴き出してしまっていたかもしれない。


だけどそのユニークの塊な格好さえ霞む、冷たくて目付き悪い目。そんな目で睨まれた私はさながら冷凍ビームでも浴びたような気分、もしくは蛇に睨まれた蛙の気分だった。どっちにしろ気分はよろしくないしテンションは下の方に振り切れた。


この人相手に勝てる気がしない。勝てない気しかしない。睨まれてるだけなのに何この圧迫感。



「…貴様、何の目的で我が陣に侵入した」


「はいぃッ!」


「返事をせよとはいっておらぬ。返答をせよ。もう一度聞くが、何の目的で我が陣に侵入した」


「し………侵入したっていうか…その、気付いたらいた、というか…」



しどろもどろに話す私に苛ついたようだ。チラ、と視線をあげると例のフラフープみたいな形の刀(めんどくさいからフラ刀と呼ぶ)がわたしの眼前に突き付けられていた。



「はっきりと申さぬか。下手な演技も言訳も要らぬ、簡潔明朗に真実だけを述べよ」


「ヒィッ!!そ、その、ホントに気が付いたらいただけなんですっ!未来から来たんですっ!」





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