此方、生徒会本部
※色は匂えど風学パロ
※つまり毛利がドメスティックバイオレンス標準装備の鬼畜ドS
「か、かいちょ…!購買限定"とろけるなめらかふんわりプリン キャラメル増量"買ってきました…っ!」
「遅い」
「ぶっ!!」
私は、ばさら学園高等部生徒会庶務の田中花子。
我が校の生徒会長のご命令により購買まで全力で走り彼の御気に入りの5個限定プリンを買って態々生徒会室まで届けに行ったら消しゴムが眉間にクリーンヒットいたしました。今日も今日とて会長は理不尽極まりないです。
「我は12時までに買って此処へ届けにこいと言ったはずだ。23.02秒のオーバーではないか散れ。四方八方に散れ」
「理不尽にも程があるよ毛利君。本来ならば買ってきてくれた事にまず感謝をすべきなのに。ほら大丈夫かい花子君」
「うう…ありがとうございます半兵衛先輩…」
副会長の半兵衛先輩が差し伸べてくれた手を握り返し立ち上がる。彼は会長と違ってとても優しく気遣いが出来て紳士的で顔も頭もいい素晴らしい人です。
いや、会長も頭と顔は負けてないんですけど付き合うならどっちと聞かれたら大体の人は半兵衛先輩と答えると思います。それくらい会長の性格はひん曲がっているのですから。
「ほら、これで冷やすといいよ。君の可愛らしい顔に青あざができてはいけないから」
「………半兵衛先輩紳士的ですね。素敵です」
「!…ふふ、そうかいやっと僕の魅力がわかっ」
「おいさっさと渡さぬか愚図」
「あわわわわわ!も、申し訳ありません会長!!」
「………」
「………フッ」
途端、何故か拗ねてしまった半兵衛先輩、それを見て先程までと一転し気分がよくなったらしい会長。因みに、悪どい笑顔とドヤ顔の悪夢のコラボレーションでした。
それにちょっと引いて二、三歩下がると、頬にひんやりとした何かが当たる。
「今日もお疲れ、花子ちゃん」
「ほら、どうせアイツは寄越さねぇだろうからな、代わりに俺らからご褒美だ」
「あっ…ありがとうございます慶次先輩、元親先輩!」
ひんやり冷えた、私の好きな午前の紅茶を受け取ると、慶次先輩と元親先輩がわしゃわしゃ頭を撫でてくれる。
慶次先輩は会計、元親先輩は書記の先輩だ。二人とも半兵衛先輩とはまた違った優しさを持っていて、言うなれば…そう…お兄ちゃんみたいな…そんな人達です。
会長は厳しいし理不尽だし恐いけど、半兵衛先輩や慶次先輩、そして元親先輩が優しくしてくれるので、私は今日も頑張れるのです。
会長は恐いですけどね。暴君ですけどね。理不尽の塊ですけどね!」
「ほーう…厳しくて恐くて理不尽の塊で暴君、か。そうかそうか…」
「わああああ!!ここっ、こ、声に出て…!?」
「会長は厳しいし…のところから全てな」
「……………………」
カチカチカチカチ…カチッ
テーテレッテッテー…ピッ
「ん?」
『オワタ!\(^o^)/
会長マジ鬼畜です。鬼畜で暴君です。取り合えず眼鏡ぶち割りたいですけどやめときます』
「…何でメール?」
「何か会長に聞かれたらまたお仕置き増やされそうなので…」
「ほう…見せてみろ長曽我部」
「先輩!消して消して!」
「くっ…何故僕に送ってくれなかったんだい花子君…!!」
「半兵衛、今それどうでもいい」
「チッ!さっさとそれを渡さぬか!」
「渡すかってーの!……ハイ消去ォォォ!!」
「やったね先輩!男前!」
「おう!そうだろ?アニキって呼んでも良いんだぜ?」
「えっと、あ、あに…あ、に…お兄ちゃん!」
「お、お兄ちゃんておま…」
「頼んだら僕のこともお兄ちゃんと呼んでくれると思うかい慶次君…」
「気を確り持て半兵衛!キャラを取り戻すんだ!」
「貴様らやかましいわ!いい加減にせよ!」
『ごめんなさい』
そんなこんなで、今日も生徒会の騒がしい一日が過ぎて行くのでした。
因みにこの三十秒後、床に落下して無惨になったプリンが発見されて私と元親先輩がお仕置きも兼ねた八つ当たりをされるのだった。
変な面子と思った人、心配しないでください。貴女の感覚は正常です。
因みにこの面子、色は匂えどに主だって出てくる予定のキャラ達。性格とかも大体こんな感じです。
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