何がヤバいかって、普段そんな顔見せてくれないじゃん。いや、されても困るけど、イロイロ。ともかく、目尻を潤ませて、紅潮しきった頬で、俺を見上げるのだ。あのグリーン先輩が。たまらない。

「っぐ……、ん、んん……!」
「声、我慢しないでくださいよ」

ひとつだけ不満をあげるとすれば、これ。先輩は何時だって声を聞かせまいと唇を噛み締める。血ィ出たら嫌じゃん。つうか、強情。俺は聞きたいのに。AVみたくあんあん喘いでよがれとまでは言わないが、毎回やられちゃあ少々腹立たしい。加えて、嗜虐心も煽られる。屈服させたくなる。先輩は純粋だから知らないんだ、可哀相に。

「そんなに虐められたいんスか?先輩のドM」
「何が……、っ、ひゃ……!?」
「あ、今のいー声」

腰を掴んで無遠慮に突き上げてやると先輩は目を見開いて身体を硬直させた。あられもない声をあげてしまった羞恥からか先程以上に茹蛸状態で、刺激すれば直ぐにでも泣き出しそうに歪んだ瞳を安堵させるように口づけた。

「大丈夫ッスよ。可愛かったんで」
「そ、そういう問題じゃ、ゃ、やめ、ふぁ、ゴールド……!」
「ね、もっと見せて。やらしー先輩、見たいなあ」

勿体ない。ひくひくと俺を締め付ける先輩は威厳も冷静さも跡形もなく消えうせて、嫌なわけがない。だってそうさせたのは俺だ。シーツをさ迷う手を引き寄せて、囁く。耳が弱いなんて、とうに知ってる。ばつばつ、動く度に魚みたく跳ねる、可愛い、可愛い。

「好きッス、グリーン先輩」
「あ、ぁ、ゴ、ルドッ」
「ん、俺も限界」
「ひぁ、も、いく、い、っふぁ……!」
「……ッ、」

先輩が白濁を撒き散らすと同時に、俺も搾るように蠢く先輩のナカに全部吐き出す。
生産性の見出だせない行為。だけど。それでも。

「あー、マジで気持ちいー……」

荒い呼吸を繰り返す先輩の上に覆いかぶさると、行為後の僅かな力ではあったが頬を抓られた。

「何、まだ恥ずかしいんスか?」
「……馬鹿が」

無茶させやがって、とふて腐れながらそっぽを向く先輩は、だけど抜けとは言わない。無意識の、精一杯の甘えなのだ。俺にはそれに応える義務がある。生憎まだ足りないし。

「またまたあ、あと二回はいけるっしょ」
「は?って、ま、まて……!」
「嫌ッスよ」

制止をかけようとする焦った声音は、しかし次には甘ったるい嬌声へ変わる。

ねえ、できるならいっそこのまま、どろどろに溶けてしまいたいくらいだ。
全部、知りたい。もっと教えてよ、先輩。


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