※捏造狼設定
例えば、俺とジェームズが一緒にいてもレギュラスと話しててもリーマスは怒ったりしない。あいつと独占欲は無縁なのだ。少なくとも、普段は。
「ぁ、う」
血が流れるまではいかないがそれでも鋭い痛みが電流みたく背筋を駆け抜けた。剥き出しの肩に噛みついたリーマスはゆるく歯を掠めさせながら意地の悪い笑みを浮かべる。いつもなら絶対にしない表情にぞくぞくした。
「……シリウス可愛い、このまま食べたいなあ」
「ひ!」
がぶがぶと痕を刻み付けて執拗にそこを舐めていくものだから、俺は堪らなくなって身をよじった。
「ふふ、逃げちゃだめだよ?」
途端、背後から伸びた腕に拘束される。抱き抱えられ、リーマスの上に座らされた状態。目の前は施錠もしてないドア。こんなの、誰か来たらどうするつもりだ。これも、いつもなら絶対にしないこと。
「だ、誰か来たら、ぁ」
「そうだねえ、どうしようか」
中心に、布越しに与えられるもどかしい刺激に息を切らしながらどうにか抗議しても、リーマスは楽しそうに笑うだけだ。
「見られた方が興奮するんじゃない?」
「ひぁ、しない、やだ、リーマス、や……」
「それに虫よけにもなるよ」
「っふう、むし……?」
耳元に唇を寄せ、リーマスは低く落とした甘ったるい声を流し込んだ。
「シリウスは僕のものなのに、何時も君は手元にいてくれないんだもの」
それは、間違いなくリーマスのどす黒い執着心だった。
本心なのか、満月が近くなるにつれこうして出てくる作用のせいかはわからない。
ただ、それが妙に心地好くて嬉しいと思えるなんて、俺も大概狂ってる。