「鬼道ちゃん、ゴーグル焼けするぜ??」

日頃からの疑問を投げかけてみた。
とくに今日は日差しが痛い。
まあ、ユニフォームだろうとスーツだろうとゴーグルとマントを着けているから、余程大切なのだろうとは思うが。

「気にならない。どうせ外さないさ。」

…ごもっともです。




―――――……


「不動…」

久しぶりに鬼道ちゃんの部屋に来た。
後ろ手にドアを閉めた瞬間、
鬼道は呟きながらオレの口を塞いだ。
目を閉じないオレにとって鬼道ちゃんの顔を隠してしまうゴーグルは邪魔以外の何でもなかった。

「ふっ…ん、」

鬼道ちゃんのぎこちのない技術に内心ニヤリとしながらゴーグルを両手でそぅっと外した。

「…鬼道、ちゃん…」

「どうした不動」

深紅の瞳がオレをじっと見つめる。
この切れ長の、この深紅の瞳がオレは好きだったりする。
好き、だけどよ……

「ゴーグル焼け…してるぜ??」

オレが耐えきれずに吹き出すと、鬼道ちゃんの頬がゆっくりと赤く色づいていった。



それから、しばらく今後のゴーグル人生について嘆く鬼道ちゃんの世話役になったのは言うまでもないだろう。


(オレしか知らない顔じゃんか)
(それはそうだが、)

【秘め事】





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