まるであの日のように真っ青な空が広がっている―――




学校が終わると鞄を持ちすぐに教室から出た。

「あ、おい!鬼道!」

教室から数歩歩いたところで引き止められた。
振り替えると円堂と豪園寺がいた

「一緒帰んねーの?」
「今日は用があるといっておいただろう」
「あれ、そうだっけ?」
「言ってたぞ円堂」
「先に言えよ豪園寺!じゃ、また明日な鬼道!」

ニコニコと笑顔で手を振る円堂を背に俺は足早にその場を後にした。






学校からそのまま向かった先は墓地。
あの人の、総帥のお墓の前。


「お久しぶりです、影山総帥。」


買ってきた花を添えながら話し掛ける。


「もう1年なんですよ。はやいですね…」


花を供え終わるとお墓の前に座った。


「俺は今中学3年で受験を控えてます。高校では帝国に戻るつもりです。」


自分のことを総帥に話す。
総帥がいなくなってからの1年について。そしてこれからについて。


「帝国に戻ってもサッカーは続けます。あなたが教えてくれたサッカーを。帝国のみんなはそのまま高等部に行くと言っているのでとても楽しみです。」


話しても話しても返事なんて返ってはこない。


「総帥は…影山総帥は、そっちでサッカーやってますか…?楽しく、サッカー…やってますか…?」


視界が歪む。
途端にポツポツと座っている膝のうえに雨のような雫が滴れてきた。


「総帥…俺は………」


言葉に詰まる。
ポツポツとふる雨粒の量は増えていく。


「…あなたに、会いたいです…」


呟いた声は震えてとても小さく自分のものではないようだった。


総帥、俺はいつになれば笑顔で貴方の前に来れるでしょう。
もう一度、もう一度だけ貴方に会いたいです。
そうすればこの雨も…


しばらく動けず、ただじっと座って雨が止むのを待った。











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2011.11.10 影山総帥一周忌










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