8月 きどふど












暑い夏の日、2人きりの部屋。
監督命令で次の試合に向け話し合い。
窓から入る日差しはジリジリと焼けるように暑い。


「…で、ここをこうして、……不動聞いているか?」
「え、あ、あぁ。聞いてる。」
「嘘をつくな。集中してないだろ」


叱りつける様な口調と暑さにイライラする。


「こんな暑さで集中できっかよ…」


小さく文句を言う。
すると鬼道は突然立ち上がり、少し休憩しようと言って部屋を出て行った。

あー怒ったのかな?
少しそう考え、考えるのをやめた。
暑いからめんどうだ。怒ってたら謝ればいい。
そう心の中で呟いて机に突っ伏す。あー冷たい。
そうすれば少しうとうとと眠気が現れる。
寝たらほんとに怒られるだろうな。そう考えながらもうとうとしていた。


ピタッと頬に冷たいものが当たって小さく奇声を上げて飛び起きる。

「なに寝ているんだ。」

呆れた。と言いたげな声がふってくる。

「ほら、飲め。暑いんだろ」

鬼道ちゃんに渡されたのは氷の入ったよく冷えた麦茶。
ありがと…小さくお礼を言って受け取る。冷たくて心地いい。
一口飲むと喉に冷えた麦茶が流れ気持ちいい。

「飲んだらはやくするぞ。」

隣に腰掛けながら鬼道ちゃんが言う。
なんだ、怒ってないじゃん。鬼道ちゃんの優しさが少しくすぐったいな。
なんて考えながら麦茶を全部飲み干した。

「ん。さんきゅ…」
「あぁ。どういたしまして。」

コップを机に置き作業を再開。と思った。

「不動。」
「あ?」

名前を呼ばれて振り向くと唇に暑いものが触れた。鬼道ちゃんの唇だ。
薄く開いてた口に舌が進入してくる。暑い。

「ん、ふ…ぁ…」

チュッとわざとらしい音を出して唇が離れる。
鬼道ちゃんはニヤリと笑って、よく冷えたな。と嬉しそうに言った。


ふざけんなバーカ。
暑くなった唇をもう一度重ねた。









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明王月企画
イナズマジャパンの14番 鬼道有人







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