しばらくの間外で源田が帰ってくるのを待ってみた。
でも帰ってこなかった。
ポツポツと雨が降り出して来たからとりあえず部屋に戻ることにした。
濡れたシャツを脱いで新しいものを着る。
財布と携帯、家の鍵、そして傘を2本持って再び家を出た。

源田のいる場所なんて正直よくわからない。
仕事以外のときはいつも家にいてくれるから。
少し考えて、まずは源田の職場に向かうことにした。

源田の職場に着いて受付の人に源田を呼んでもらった。
しかし源田は来なくて違う男がやってきた。
源田の上司に当たる人。何度か会ったことある人物だ。
源田が言うに、俺を狙っているらしいが俺は興味なんて全くない。


「あれ、不動さんでしたか」
「こんにちは。あの、源田は?」
「まだ来てませんけど、源田と不動さん一緒に住んでいませんでしたっけ?」
「そうですけど…。昨日から、帰ってきてないんで。」
「源田がですか?」
「はい。」
「あ、そういえば昨日、源田の知り合いって人が来てましたよ。たしか鬼道財閥の人だったと思いますけど」
「え…それ、本当ですか?」
「はい。あの、どうかしました?顔色悪いですよ?」
「え、あ…いえ、大丈夫です。もう失礼します。時間とらせてすみません」
「いえ、今度飲みにでも行きましょうね」
「はい。ありがとうございました。」


傘は2本持ったまま俺は源田の職場を後にした。

鬼道財閥ってどういうことなんだよ源田。誰と会ったの?今どこにいるの?
頭の中では疑問が浮かんで消えない。



ねぇ、源田。俺は源田を信じていいの?



雨の中向かった先はあの場所だった。

















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