七夕しようぜ!という円堂の一言で宿舎の海辺で七夕をすることになった。

といっても短冊を書いてかざったり花火をしたりとやっていることは人それぞれである。
ほとんどの人は短冊に飽きたらしく花火に移っていた。

しかしそのなかに恋人である不動の姿は見当たらなかった。
辺りを見回して見ると短冊が飾られてある笹の目の前に不動の姿があった。
ゆっくり近づいて声をかけてみると不動はひどく驚いたように肩を振るわせた。

「き、鬼道ちゃん…」
「?どうした?そんなに驚くことか?」
「いや、別に…」

めずらしくうつむきながら俺の視線から顔を逸らす不動。
いつもと違う不動の行動に違和感を覚えながらも会話を続けた。

「不動は短冊に何書いたんだ?」
「……大したことじゃねぇよ。」
「…そうか」
「鬼道ちゃんは?」
「俺か?ひとつはサッカーのことだ。」
「ひとつ?ふたつも願い事してんの?」
「あぁ。もうひとつはお前のこと。」
「はっ?」
「ずっと一緒にいれたらいいなってな」

隣にいる不動の顔色を伺えば真っ赤になっている。
可愛かったから頬に軽くキスをしたら耳まで真っ赤にして殴られた。

2人の間に沈黙が流れる。
遠くのほうで花火の音とみんなの騒ぐ声が聞こえる。
上を見上げれば綺麗な天の川が出ている。綺麗だ。
隣を見れば愛しい恋人。
沈黙の間幸せをかみ締めていると突然不動が口を開いた。

「…俺も、同じ。」
「え?」
「願い事。同じだって言ってんだよ…」
「サッカーのほう?」
「…どっちもだよ。バカ」
「そうか。よかった。」

不動の目を見て微笑めば不動は照れたように笑った。


「不動、」
「何?」
「好きだ。」
「知ってる。」
「だよな。」

ずっと一緒にいような。
天の川の下で誓うようにキスをした。












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七夕ネタ。









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