「んっ…も、やァっ…///」 「お前が誘ってきたんだぞ?」 ニヤリと心底嬉しそうに口の端を吊り上げている。 確かに挑発したのは俺だったが、まさかこんな、 こんなことになるなんて 練習が終わり自分の荷物を纏めている時だった。 「おい剣城。」 振り返ると立っていたのは鬼道コーチだった。 イナズマジャパンの天才ゲームメーカー、鬼道 有人。知の面でも秀でていながら技の威力も侮れない。 小さな頃、憧れだったプレイヤーの一人にこうやって名前を呼ばれる違和感にくすぐったい思いもする。 「なんすか」 ぶっきらぼうに返事を返すと鬼道コーチはフッと顔を緩ませた。 「不動 明王というやつを知っているか?」 不動 明王…。イナズマジャパンのMFであり司令塔でもあるプレイヤー。コントロール力を始め、卓越した技術でチームの大きな戦力となった。 サッカーをやっているやつならジャパンメンバーくらいは言えるだろう。 「知ってますけど…」 「お前、不動に、似てるな。」 鬼道コーチは柔らかく微笑んだ。 眼鏡のせいで表情は分からないが、微笑んだ。 口が綺麗な弧をえがく。 あぁ。そういうことか。 噂には聞いていた。が、まさか本当とは。 「じゃあ、俺を抱いてみます?」 思いっきりバカにして、 にやつきながら言葉を紡いだ。 鬼道コーチは予想通りに固まった。 相変わらず眼鏡で表情は分からないが、その口から微笑みは消えた。 馬鹿馬鹿しい。 ただそう思って荷物纏めを再開した。まさに、そのとき。 「ほぅ。そういうことを言うとは。」 口調に何の変化もない。俺を呼び止めたその声音は冷たく低く響いた。 ゆっくりと振り返ると、微笑みとは程遠い、ニタリとした笑いを浮かべている。 「お望み通りにしてやろう。」 「―っ!」 反射的に身体が後ずさる。 ふくらはぎに当たるベンチと俺の鞄の感覚。 俺を怯えさせるかのようにゆっくりと歩み寄る鬼道コーチ。背中にジワリと汗が浮かぶ。嘘だろ?頭が追いつかない。 手首を掴まれる。 振り払おうとしても相手は大人。脚力に自信はあっても腕にはない。 鬼道コーチは俺の手首を掴んでいる手とは逆の手で俺の荷物を持つと、力任せに俺を引っ張った。 ズルズルと引かれた先に車が停まっていた。 赤のフェラーリ、テスタロッサ。 珍しい外車を眺める暇もなく押し込まる。鬼道コーチも運転席に座ると車はあっという間に動き出した。 「ど、どこに…」 「心配するな。俺の家だ。」 チラリと振り返った鬼道コーチの口元は相変わらずニタリと歪んでいた。 車はどこをどう走ったか、どれほど走ったか。 着いたさきはいたって普通の住宅街の一軒家だった。 車に乗る前と同様に俺の手首を強く引きながら家の中へ入る。 大きなベッドのある部屋に入ると引いていた腕をそのままベッドへと投げ飛ばす。 「っあ!」 ボフッと身体が沈む。 慌てて鬼道コーチを見ると羽織っていたスーツを脱ぎながら近付いてくる。 背中の汗が再び浮かび出した。スーツを近くのハンガーにひっかけるとネクタイを緩めながらベッドを軋ませた。 「き、鬼道コーチ…」 「痛くないようにしてやる」 そう言った鬼道コーチが眼鏡を外してサイドチェストに置いた。 振り返った鬼道コーチと目が合う。 初めて素顔を見た。切れ長の赤目。ニタリと笑ったままの口元に加えて、サディスティックなその表情に、やはり身体は後ずさる。 鬼道コーチの手が伸びて顎を掴まれる。 「っ…!!」 ぬるりと舌が唇を割って入ってくる。 あまりの事態にジタバタと身体を捻らせるがビクともしない。 いつのまにかシャツの中に手が侵入してきて、するすると肌をなぞる。ゾワゾワとした感触に肌が粟立つ。 その手はそのまま胸の突起をグリグリと刺激した。 「んっ…やっ…」 口が離されて自分ではないような声が耳にとどく。 不本意にも、熱が中心へと集まる。 「思っていたより感度いいんだな」 鬼道コーチが低く耳元で囁いた。 その声音にすら身体が反応する。耳からの快感に気を取られていると自身に強烈な刺激が走った。 「ひぃぃいっあ!!」 慌てて視線を落とすとコーチの手が 俺自身を包み込んでいる。 ゆるゆると全体を擦られたかと思いきや、 強く擦ってくる。 強弱のあるその動きにだんだんと追い込まれていく。 「コー…ッァ、も、ぅ」 力の入らない腕で牽制しても、もちろん無駄で。 俺はコーチの手の中に、欲をぶちまいてしまった。 「ぁっ…す、みません…」 「いや、いい。」 肩で息をしながら上体を起こそうとした。 その時。 不意にコーチに肩を押され コーチに乗られる感じになる。 おい、まさか… 「まだまだこれからだぞ?剣城…?」 ニタリと笑みを浮かべた鬼道コーチは 手に付いた俺の白濁を舐めた。 ***** 鬼道さんが登場した頃に書き始めたので、コーチな上にキャラが定まってません。(笑) 希望が多いようでしたら続きます(多分)←Back . |