「佐久間クーン」

ノックをしながら(ここ重要ね)ドアを開けてきたやつ。珍しい来客に俺は目を疑った。

「どうした不動。珍しいな。」

「珍しくて悪いな。」

不動は当たり前のようにベットに座っている俺の隣に腰掛けた。
毛のない部分をガシガシと掻いてぷいと顔を背けながら言う。

「その…相談…があるんだが…」

珍しい奴が珍しいことを言う。
相談なんか鬼道さんにするくせに。わざわざ俺のところに来るということは。

「鬼道さん絡みか?」

不動は耳をほんのり色付けながら俺をチラリと見た。

「もうすぐ鬼道チャンの誕生日だろ??何かしてやろうとか思うわけ。」

「そんなの、身体をやれば――ぶっ!!」

枕を顔面でキャッチしてしまった。
冗談だよバカと悪態をつきながら、思考を働かせてみる。
鬼道さんが喜ぶことねぇ…。
ぶっちゃけ、不動がすることなら、なんでも喜びそうだが。

「鬼道チャンってお坊ちゃまだからさ、あんまり安いものなんてやれねぇじゃん??」

不動がベットから垂れた足をばたつかせる。
うーん。言われてみれば確かにそうかもしれない。

「不動が何かを作ればいいじゃないのか??」

「オレが??何を??」

「料理とか、ベタにケーキとか」


なるほど。と唸って不動は黙り込んだ。
しばらく、腕を組んだまま固まっていた不動はよしと頷くと、立ち上がる。

「佐久間クン、鬼道チャンの好きな食べ物聞き出しといてよ。」

「分かった」

「ん。じゃーおじゃましました」







昨日は鬼道さんの誕生日だった。
チームのみんなから祝福された鬼道さんは恥ずかしいのかはにかみながら笑うので、こっそり写メ撮った。

部屋に戻る途中、誰かに思いっきり肩を叩かれた。

「あ、不動」

「佐久間クン。昨日はサンキューな」

それだけ言うとヒラヒラと手を振りながら俺を追い抜いて部屋に戻る不動。
機嫌は最高らしく、鼻歌が聞こえる。
そして、後ろ首に見える赤い印。

俺は不動の成功に安心するとともに思い切り妬いた。



(鬼道さんはハンバーグが好きだって!)








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オチが崩壊しましたorz

遅くなりましたが
みーこ様のみお持ち帰り可です!!

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