Said 佐久間




車を走らせ、源田の会社から少し離れたホテルに2人で入った。
部屋に入ってから俺はベットの上に源田は椅子に腰掛けただ思い沈黙が流れた。
先に口を開いたのは源田だった。

「話って、なんなんだ。」

その声はとても小さく源田のものだと思えぬくらいか弱い声音だった。
俺は少し間を空けてゆっくり口を開いた。

「単刀直入に言う。不動に会わせてほしい。」
「俺も居場所を知らないって言ったら?」
「お前の嘘見抜けないわけないだろ?」

からかう様に笑えば源田はただうつむいてそうだな…と答えた。
また少し沈黙。今度は先に俺が口を開いた。

「鬼道が、不動に会いたがってるんだ…。俺もだけどな」
「そうか……1つ、聞いていいか?」
「なんだ?」
「…鬼道は…まだ、不動のこと…」
「好きだぞ。5年間、ずっと不動とお前を探しながら家業を継ぐため頑張っていたよ。」

源田はうつむいていた顔をパッと上げた。
その顔はとても悲しそうに見えた。



あぁ、やっぱりお前はあいつが大好きなんだな、愛してるんだろうな…。
きっとお前の心に俺なんて入る余地ないんだろうな。

でも俺はお前を愛しているんだ…。




長く重い沈黙が流れた。俺はただうつむく源田を見つめていた。
夜は段々更けていった。






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