▽蘭丸視点




雨は嫌いだ。
だって君の涙に似てるから。

雨は好きだ。
だっていつもより近くに君を感じるから。





「霧野、遅くなってごめん。」
「あ、やっと終わったか。長かったな。」
「うん。監督と話していたら長引いちゃって。」

部活が終わり、みんなが帰った部室。
俺はキャプテンである神童を待っていた。
監督と話があるから帰っていてくれ、と言われたが帰る気になれず待っていた。
神童も俺が待ってることはわかっていたのだろう。
神童が監督と話をしに行ってすぐ雨が振り出したから。


「傘、持ってきてる…わけないか」
「当たり前!神童が持ってるでしょ」
「あるけど、お前いつもこうだよな」
「忘れっぽくて」


嘘だけど。
ほんとは君と相合傘したいだけ。
相合傘は君を一番近くに感じることが出来るから好き。


「しょうがないな、じゃ早く帰ろう」
「うん。今日は俺が傘持ってあげる。」
「あ、あぁ…ありがと」


毎日、登下校は肩を並べて歩くけど
こんなに近くはない。
触れそうで触れない肩がもどかしい。
手を繋ぎたい。抱き締めたい。キスをしたい。

君と相合傘をするだけで
いつもより君を近くに感じて嬉しくなる。
ポツポツと降る雨粒が君の涙に見えて切なくなる。



不意にキュッと手を握ってみた。
君は一瞬驚いていたけどすぐに握り返してくれた。

あぁ、好き。大好き。

手から伝わる君の体温は心地よくて少し切なかった。









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一応梅雨ネタ。というか雨ネタ。
相合傘萌える












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