小鳥遊と別れてバイト先へと向かった。 遅刻ギリギリだったが辛うじて間に合った。 しかし仕事をしていても全く身に入らず 店長に怒られる始末。 でも怒られていても耳には何も入ってこず、頭の中はぐちゃぐちゃするばかりだった。 やっとのことでバイトを終える。 荷物をまとめて外へ出る。 春先とは言え夕日の沈む頃になると風は冷たく体に突き刺さった。 源田まだかな、と思いながら辺りを見回してみるが 源田の様子は見えない。 小鳥遊に会ったことをちゃんと話しておきたい。 そして何より源田に会えば少しはモヤモヤが晴れる。 そんな気がしていた。 ボーッと道を流れていく人を眺めていると携帯の着信音が鳴った。 相手はもちろん源田だった。 「もしもし」 『不動、もうバイトは終わったのか?』 「終わってっから出るんだろバーカ」 『そうだな。悪い、俺残業になりそうなんだ…』 「あ、え…そうか…」 『ごめんな、』 「あ?別にいいよ。仕事ちゃんとやれよ」 『あぁ、先に寝てて構わないから。』 「ん。じゃあな、仕事頑張れよ。」 『おう。ごめんな。』 「おー。」 電話を終えてすぐ家に向かって歩きだした。 飯なんて食いたい気分じゃねぇし、源田がいないのなら一刻もはやく帰ってベットに入りたかった。 眠りにつけば何も考えなくてすむから…。 Back . |