Said 鬼道




5年目の今日、やっと一歩前進した。
高校の卒業式の日別れを切り出されそれ以来あいつに会っていない。
会社の部下を使ってまであいつを探すなんて最低で未練がましい。
そんなことは自覚している。
それでもあいつが忘れられない。もう一度話して俺の腕の中へ戻ってきてほしいんだ。


小鳥遊が帰って部屋は沈黙に包まれる
先に口を開いたのは俺の秘書である佐久間だった。

「鬼道、源田の件だが・・・」
「わかっている。やりたいんだろう?」
「・・・ダメか?」
「いや、俺もお前にやってもらおうと思っていた。」
「ありがとう・・・!」

佐久間は源田が好きだった。
卒業式の日以来源田も不動と同じように行方がわからなくなった。
そのときの佐久間はすごく辛そうで、今日得た源田の情報は佐久間にとってとても嬉しいものだろう。
お前にやってもらうと言えば佐久間は顔を綻ばせ喜んだ。

「はやく会いたいか?」
「え、あ・・・あぁ。会いたい・・・」

鬼道もだろ?と笑顔を向けられる。
そうだな。と答えて笑いあう。






未練がましくても女々しくて最低でも
お前に会えるのなら俺はそれでいい。








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