時間は止まることを知らず、俺の気持ちなどとは関係なくただただ時は流れた。
そしていつの間にか5年という月日が経った。

別れて5年目の今日、久々に別れたときの夢を見た。
目を覚ました俺は布団から跳ね起きる。
もう5年だというのに忘れられない。布団に涙のシミをつくるほど泣いたらしい。そんな未練がましい自分に腹が立つ。

「また夢見たのか」

上から声が聞こえた。
見なくとも誰の声か分かる。

「源田には…関係ない……。」

そうか、と困ったように笑う源田。

高校卒業と同時に俺とあいつは別れた。そして居場所を失った俺に手を差し出してくれたのが源田だった。
源田は俺を好きといってくれ、優しく抱き締めてくれた。
そんな源田の気持ちに答えることなんか出来ないくせに俺は源田といる。
最低な奴だと自分で思うが源田を失えば俺には何も残らなくなるのだ。

今も、俺は冷たく源田にあたったのに優しく頭を撫でてくれる。


「あ、そうだ。不動今日はバイトか?」
「え…あぁうん。昼から」
「夜は遅いのか?」
「あーいや、夕方で終わる。」
「そうか、俺も今日は早いから迎え行く。飯でも食いに行こう。な?」
「わかった」
「じゃ仕事行ってくる」

源田の背中を見送りベットから出る。
そして出るにはまだ早いが行きたいところがあるからと身仕度をし家を出た。








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