「はあ??転入だぁ??」 イナズマジャパンFFI優勝のその日 突然監督から告げられた新たな学校。 真・帝国学園に通っていた面子はすでに皆、帝国学園に転入しているとのこと。 日本に戻ったら、またあの怠い学生生活が始まるのだ。 それにもうじき受験生になる。 当然部活は引退になるし、サッカーに打ち込めなくなるだろう。 「そうだ。既に転入手続きは終わっている。」 「んなこと言ったって、」 「制服だけは自分で用意しろ。」 「…は??」 監督は顔色一つ変えずに淡々と事実を並べる。 お坊ちゃま校の割にはケチいじゃねえか。 *** どうしたものかと悩みながら家に向かっているときだった。 「不動」 聞き慣れた男の声。 振り返ると、ドレッドヘアのあいつ。 傍らにはアイパッチのあいつ。 「お前、帝国に来るんだって?」 佐久間の訝しげな声。 サッカー中のオレは許したみたいだが私生活のオレのことは、未だ疑い深い目で見てくる。 「鬼道は帰って来ないのか??」 「あぁ。俺は雷門で卒業する。」 佐久間がガックシと肩を落としたのが見えた。 と、そのとき。 「鬼道さん!!」 オレの後方から声がした。 「源田!!寺門!!辺見!!」 「咲山に成神!!洞面まで!!お前らどうして…!」 そこには帝国サッカー部の面々が揃っていた。オレ、明らかに邪魔じゃねぇ?? 「鬼道さん達が帰ってくるって聞いてみんなで迎えに来たんです。」 「優勝、おめでとう!」 明らかにオレの居るべき場所じゃない。真帝国の奴らも迎えぐらい来てもいいじゃねえか。ま、有り得ない話だけどな。 「おい、不動どこいくんだ?」 ふいに腕を引かれた。引いた奴は鬼道ちゃん。 「俺、不動って奴に会ってみたいな。って辺見先輩が言ってた人ですよね?」 「ばっか!成神!!」 辺見と呼ばれた奴が心なしか赤面する。 源田が笑いながらオレに歩み寄ってオレの肩に手を置いた。 「俺達は、お前のことも帝国の一員として応援していたんだ。」 「は…はぁ!?」 照れくさくて顔に熱が集まるのが分かった。だせぇ!!オレだっせえ!!! 「そういえば不動は帝国に転入するようだぞ。」 鬼道ちゃんが腕組みをしながら口を開いた。また、こんなタイミングで余計なコトを! でも、まあ、これも一つのチャンスかもしれない。 そう思ったオレは一つの頼みを口にした。 「そーなんだよ。誰か制服譲ってくれねぇ??」 オレの家には買い直すほどの金なんてない。かといって、一人真帝国の制服で登校すんのも気が引けるし。 「なんだ。不動。そんなの、俺のお古で良ければあるぞ?」 一年半も着てないしクリーニングもしてあるからな。 と付け足しながら喋る鬼道ちゃん。どうしようかと悩んでいるときだった。 「あの、ふ、不動…俺の家に一度も着ていない制服があるんだが…」 ぎこちない呼びかけと共に口を開いたのは、辺見とかいうやつだった。 「入学時に二着買ったんだけど全く必要なくて、全然着てないんだよ。」 「ふーん。じゃあそれ、貰っても良いか?」 やっぱりお古は気が引けるし、鬼道ちゃんの思い出は帝国にあるだろうからなぁ。 「じゃあ、俺ん家に来なよ。すぐ渡せるぞ?」 と、いうわけでオレは辺見の家に向かった *** 「デコ見先輩、案外積極的ですね。」 「くっ…俺の不動を…!!」 「鬼道、制服俺にくれないか?」 「佐久間には死んでもやらん。」 +++++ お待たせいたしました! コロネ様リク辺→不←鬼←佐で辺見オチ です! ちょ、リクエスト内容間違ってないですかね…?← お持ち帰りはコロネ様のみどうぞ! Back . |