あの日ネタという名の下ネタです。
いろいろストレートに書いています。
あの日がわからない方、苦手な方はお戻りください。





それは遥か昔、地球最初の人間であり女性、イブから始まったであろう世の常。
クレオパトラも、楊貴妃も、ジャンヌダルクも、この日を迎えていたのでしょう。
女性は生きていくうえで、絶対にこれは避けられなのです。
自分の意思に関係なく、この日はやってきます。
ジャンヌダルクだって、この日、苦痛を迎えながら戦っていたのかもしれない。

現在私、戦っています。

「つ…今回、きついなぁ…」

私は現在、月に1度はやってくる、正直口にすることも恥ずかしい…生理、です。
そして、全ての女性にふりかかるものではないらしい、生理痛。
私の場合はそうでもないはずなんですが、今回ばかりは違いました。
下腹部に感じる生理特有の重い痛みは、額に脂汗を滲ませるほど。
痛み止めの薬を服用しようと引き出しを開けたのですが、それはいくら探しても見つかりません。
そういえば、前回で使い切ってしまったんだ…と、先月のことを思い出す。
それと同時に、買い置きしておかなかったこの1ヶ月の間の自分を恨んだ。
でも恨んだり後悔したところで、2日目の辛さが引いてくれるわけでもなくて。
現在、痛みと真っ向勝負中です…いたた。
こんな私を察知してか、小太郎君が私の顔を覗きこむ。

「な、なんともないよ。うん、大丈夫」

それでもやはり彼は、いまいち納得しない様子でした。
ソファに座って安静にしていたら

「ただいまーっ」
「いい汗かいたぜー!」
「たまにはテメェ等と走るのも悪かねぇな」
「後ほど上階に行き一試合しましょうぞ!」

先ほどまでジョギング(絶対に普通の人がついていけない速さの)しに外へ出ていた4人が、爽やかな汗を輝かせながら帰宅。

「…いいなぁ、男の子はこんな思いしなくて」

ふと口から零れてしまった本音。

「なにがだ」

頭上から降ってきた低めの声。痛いお腹をあまり動かさないように、首だけで振り返る。

「どうした、元気がねぇじゃねぇか。何かあったか?」

さりげなく横に腰掛け、私の頭に手を置く。

「ん?おい、具合が悪いのか?顔が青いぜ?それに、すげぇ汗だ…」

どうやら私は今、端からから見るとそうとう具合が悪そうに見えるようです。

「青空ちゃん風邪?」

いつから話を聞いていたのか、反対側に佐助さんが座る。

「あ、いや、風邪では、ないんですけど…」
「なんだいなんだい、青空を尋問してお2人さん、そういう趣味があったのかぃ?」

風来坊、慶次さんが私の前で腰に手をあてながら立っていた。
先ほど帰宅した他の3人は、洗面所で手を洗っていた。

「あるわけねぇだろ。コイツが具合悪そうなんでな」
「あっ、確かに青空…なんか具合悪そうだよなぁ。何?腹でも痛いの?」

まぁあながち間違ってはいませんが…。
心配そうな表情でうずまる私を覗き込むのは、小十郎さん、佐助さん、慶次さんという、物分りがよさそうな3人。
彼等の性格とこれまでの経験、いろいろと=(イコール)で結ばれた結果は…。
小十郎さん、佐助さん、慶次さんになら、この痛みの原因を打ち明けても理解してもらえるのでは?
そうは思ったものの口籠ってしまう、しかしやはり、知ってもらえたほうが何かと協力してもらえるかも…。
勇気を振り絞って…。

「実は今、その…月の……あれ、なんです…」

私の周りの半径1m以内の空気が変わった。

「あー…それは大変だなぁ」
苦笑いする慶次さん。
「まぁ、その、なんだ…無理はするな、よ…」
軽く頬を染め、口元を手で覆う小十郎さん。
「とりあえず、何か温かいものでも飲む?」
いたって普通に接する佐助さん…やっぱり、佐助さんは佐助さんですね。

「じゃぁ、ホットココア作ります…」

甘くて温かいものが飲みたかったので、痛む下腹部を押さえながら立ち上がろうとすると、慶次さんがそれを制する。

「青空は座ってなって!その様子じゃぁ、結構痛いんだろ?」
「俺が『ここあ』作るから、青空ちゃんは座っててねー」

私の肩を押さえ、本当に心配しているような顔で私の横に腰を下ろした。
そしてゆっくりと上下に、私の腰をさする。
温かさが、伝わってくる…。心なしか痛みが少し引いた気がした。

「Hey,テメェ、オレのHoneyに何してんだよ」

ちょっぴり不機嫌そうな声が振ってきた。
顔を上げるとそこには、張本人の政宗さんの他に幸村君と元親さんが。

「んぁ?どうした、顔色悪いじゃねぇか」
「風邪でもひいたのか!?」

ぶんぶんと顔を横に振る。
すると、慶次さんが私の耳元で

「コイツらは知識なさそうだよなぁ」

私は小さく頷く。

「テメェ、何オレのHoneyとwhispered conversationしてやがる」
「いや、南蛮語わかんないから!」

首元を掴みながら威嚇する政宗さんを、苦笑しながら慶次さんが嗜める。
ひそひそ話の内容が気になるのか、幸村君と元親さんも食いついてくる。

「悪ぃもんでも食ったのか?」
「………?」

さらに小太郎君まで加わって、事態は混乱してきた…ような気がします。

「こ、小十郎さ〜ん…」

保護者にヘルプを出すも、当の小十郎さんも気恥ずかしいのか顔を背けられた。
流石にもう彼らに言うのは恥ずかしいですよ!さっきので精一杯です!
横にいる慶次さんも、詰め寄る彼らに曖昧に答えている。
まさに、絶対絶命のときだった。
すっと私の目の前に、湯気がたつマグカップが。

「はい、ここあ」

ニコリと笑って、出来立てのココアを持ってきた佐助さん…。

「佐助さん!」
「忍の兄さん!」
「え、な、何…?」

助けて、と目で訴えてみる。

「Hey猿!お前も仲間か」
「隠し事はいけぬぞ佐助!」
「俺らにも教えろ!」
「……」

それに、佐助さんも私たちの仲間だとわかり、今度は4人が佐助さんに問い詰める。

「…あー、なるほどね。そんじゃ旦那達、ちょっとこっちの部屋来て」

佐助さんはいつもの営業スマイルで彼らを別部屋に。

「…慶次さん、なんだか私、この後物凄くあの4人に話しかけ辛いのですが…」
「うん…あっ、そろそろ『くる』はずだぜ!」
「…はぁ」

何が来るのかよくわかりませんが、目の前で小十郎さんと慶次さんが耳を塞いでいるので、私も見よう見まねで塞ぐ。
その次の瞬間

「破廉恥でござるぅぅぅぅううううう!!!!」

耳を塞いでいても頭に響くほどの大音量!

「うっわ〜、今回はまた一段とでかかったなぁ!」
「ったく、近所迷惑も考えろってんだ」

小十郎さんは再び台所へと戻り、慶次さんは再び私の腰をさする。
暫くすると

「お仕事完了!さてと、俺様も一休みしますかね」
「「「「………………」」」」

やっぱり普段通りな佐助さんの後から、明らかに雰囲気が違う4人が赤面しながら出てきました…。

「Ah…その…sorry…野暮なこと聞いちまったな…」
「その、あれだ…辛ぇなら、いつでも言えよ…?」
「あ、ありがとうございます…」

こう優しいことを言ってくれるものの、目は合わせてくれません。

「………」

小太郎君は私の隣に距離を取って座る。

「…………」

幸村君、重症です。
膝抱えて何かぶつぶつ喋ってます。
話しかけるのも戸惑います…とりあえず、幸村君が忘れてくれるのを待とう。

「ははっ!4人して赤面しちゃって、案外政宗と元親も初心だねぇ!」

慶次さんの免疫が強いだけでは…。
そして気がつけば、下腹部の痛みはほとんど消えていました。
きっとたくさんのことに気を使っているうちに、忘れて消えてしまったのでしょうか…。
と、なれば…彼等のお陰で生理痛が収まった?
これに対してお礼を言うべきか言わないべきか、悩む私と悩む4人。
結局、いつもの調子に戻ったのは生理が終わって3日後…。
今度から痛み止め、ちゃんと用意しなくちゃ。



思い返せばあの時から四苦八苦。

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