「親父っ、起きろ!ウェいクアップ!」
「おとーしゃん、起きてー!」
「Ah…」

朝っぱらから騒がしいガキどもに起こされ、重い瞼をこじ開ければ

「グッモーニン!」
「ぐっもーにぃ!」

2つの顔。片方はオレ似、片方は愛するHoney似。
そのHoneyはまだオレの横で眠りの世界にいた。そりゃぁそうだろ。

「政人、晴華…テメェ等、今何時だと思ってやがる…」
「4時」
「寝ろ!もういっぺん寝てろ!」
「親父、んなでけぇ声出すと母さんが起きちまうぜ」
「テメェに言われたくねぇよ」

なんてやり取りを横で眠るコイツに見られたら、絶対にオレに似てると言われるのが目に見えていた。

「ったく、なんで今朝はこんなに早起きなんだよテメェ等」
「親父忘れたのか!?今日はオレの運動会だぜ!?」
「おにーちゃんうんどーかいっ」

下は上の真似をなんでもしやがる。
仲がいいことはよしとしてだ、問題はコイツ等の頭だ。

「テメェ等なぁ…What day is it today?」
「イッツサンデェェエ!!」

まだしっかりとした英語じゃぁねぇが、crazy boy,もといオレの馬鹿息子は元気よく答えた。

「…It’s Saturday!!!」

今日は土曜日だっつうの!運動会は明日、日曜日だ!
するとガキ共はお互い顔を見合わせて、ぱっと笑った。

「ソーリィ親父!ミステイクだぜ」
「みしゅてぃくー!」

コイツ等…全っ然反省してねぇだろ。
寝ぼけていた頭が少し活性化し始めたとき、晴華がオレの膝の上に乗った。

「おとーしゃん、ごめんね?」

…全くもって、コイツにそっくりすぎんだろ。
可愛いなんて思っちまうなんざ、オレもたいした親バカと嫁バカなこった。

「よし、晴華、もうちょっと寝ようか」
「うん、おとーしゃん、おやしゅみ」
「おー」

ある程度静かに閉められた扉。
それが、横から聞こえた笑い声をはっきりとさせた。

「起きたのかよ…」
「そりゃぁ、あれだけ騒いでいれば起きちゃいますよ」

横になりながらオレを見つめるその瞳は、まだ薄暗い部屋でも確かに捉えることができた。

「…おはようございます」
「それを言うのはまだ早ぇぜ。もう一眠りしとけ」

背中をシーツの波へと落とし、再びコイツの隣で横になる。
そして、腕の中へ収める。するとコイツはそっとオレのTシャツと握る。

「ったく、アイツ等のせっかちは誰に似たんだぁ?」
「間違いなく私達2人だと思いますよ?」
「…なら悪くねぇな」

軽く顎を持ち上げてやれば、薄暗い闇、隻眼でもはっきりと見える。
オレに微笑んでいるのが。
それに答えるように、オレはコイツの名を唱え、唇を交わした。

「青空、I love you.」

柔らかい唇に、軽く触れるだけのキス。
それだけでも青空は、とろけてしまいそうな目をしやがる。
心音を聞かせるように、青空の頭をオレの胸にそっと押し当てた。

「さて、もう一眠りすっか…」
「政宗さん…」
「次に目が覚めたら、おはようのKiss,たっぷりしてやるよ」
「っ…はい」

次に目を覚ますのが楽しみになったぜ。
なぁ、青空――…





「…っつー夢を見た」
「「………」」

政宗の夢の話を一通り聞いていた(というか聞かされていた)元親と慶次は、何も言えなかった。
いや、コメントに困った。

「あー…よかったんじゃないの?」
「つーか聞かすんじゃねぇよんな話。こっちだってできりゃぁその夢見たいぜ」

一応、この聞かされていた2人も青空に想いを寄せているのであって、正直政宗の夢での惚気話など、聞いててあまり面白いものではなかった。

「これはぜってぇprophetic dreamだな」
「って、どういう意味なんだぃ?」
「正夢。っつーことだよ」

政宗、正夢、はどうでもいいが、とにかく政宗は不敵に笑ってやったのであった。

「…ぜってぇ正夢にゃぁさせねぇぜ」
「元親、その作戦、俺もまぜてくれよ」

密かに火花が散っている3人組を、青空は見ていた。
そして、政宗の夢の内容を聞いて、1人考えながら赤面するのであった。

(私、政宗さんと同じ夢を見た…!)



「きっと同じことを考えてる」

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