「ふぁ〜、おはよ〜…あれっ、青空は?」
「あれ、風来坊が早く起きるなんて珍しい」
「まだ寝ている。昨晩は遅くまで起きていたようだからな」
「ふーん、じゃ、俺起こしてくる!」

俺が彼女より先に目が覚めるのは珍しいことだった。
俺、いつも青空に起こしてもらってるから。
ま、それが嬉しくて、幸せで、甘えてるんだけれども。
静かに扉を開けて、眠り姫の横たわるべっどに上半身を預けた。
目の前では彼女の寝顔がこちらにむけられている。

「…可愛いなぁ」

そう言う俺の顔はきっとデレデレで、アイツ等に見られたら絶対に馬鹿にされる。あと殴られる。
こう見ると青空はやっぱり幼く見える。

「…あーっ、ホント、可愛いっ」

堪えきれなくてつい声に出てしまったものを、手遅れだけど押し込めるように口を手で覆った。
でも青空は起きる素振りは見せない。どうやら熟睡のようだ。
って、俺起こしに来てるのに何してんだ。
柔らかな彼女の髪を少し掬い取る。でもそれはスルスルと俺の手を流れ落ちて元の場所に収まる。

「本当はもうちょっと寝かしてやりたいんだけどさ」

今日は皆で買い物の予定だろ?
軽く彼女の肩を揺すり、呼びかけてみる。

「青空っ」
「っ、んー…」

少し反応を見せたけれど、相変わらず目は開かない。
そんな時、ちょっとした悪戯を思いついた。
青空の顔の目の前に、俺の顔を近づける。

「青空、起きないと…ちゅう、するよ?」

最後の方だけ静かに語りかけた。でもやっぱり起きない。
眠る彼女の唇に近づく。ほんの少しの背徳感を覚えながらも、軽く接吻。
他の奴等に見つかる前にとすぐ唇を離すと、青空の顔を見て少し笑った。

「おはよ、青空」

青空は顔を真っ赤にしながら、小さく頷いた。


おはよう

6

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -