目の前で泣く彼女にそっと寄り添う。

泣かないで

なんていえた義理じゃないのは、オレが泣かせてしまったから。

「こたっ、ろ、くん…!」

青空はオレに縋りつく。抱きついて離さない。

行かないで

そう言ってオレを自由にしない。
別にそれでもいい。青空という枷に嵌められるのならば喜んで。

笑わないで

自然と口元が緩んでいたオレを指摘する。
涙に濡れた力強い目がオレを捕らえて離さない。

怒らないで

オレの目も、彼女のそれを見つめる。
まだ震えている手が、傷ついたオレの頬を優しく撫でる。
その腕を少し強引にひっぱり

泣かないで

そう呟いて、接吻



泣かないで

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