■英雄と旅人


「その刀ポキッと折れそうだな〜」
バッツはシュンと音をたてると左手にセフィロスの刀、正宗を模したもの出してみせた
セフィロスは最後に残ったイミテーションを破壊するとバッツの目の前へゆっくりと降り立った。

「…子供かお前は」
純真無垢なバッツの言動にセフィロスは毒を抜かれてフッと笑う
バッツが話し掛けたことによって戦場でも急に戦意も失せるのを感じた
セフィロスにとってバッツは今まであった人間とは違う思考を持つ、興味深い人間だった。

「うーん、他の剣と組み合わせて二刀持つのは難しいかもな、こんな感じ?」
それにしても長い刀だなぁ〜!とバッツは呑気に言いながら片手で持っていた刀をセフィロスがいつもやるように構えなおして見せる。

相変わらず真似とはいえ流石なものだ、とセフィロスは感心してそれを見ていた。そしてふと気付く。
「初めは単純に立ち振舞いを真似てるだけかと思ったが、お前は…」
「うん?」
「やはり戦い慣れているな」

コスモスの戦士の戦闘スタイルを難なく真似ることが出来る彼は幾度なく戦闘を重ねてきたのだろう。敵のあらゆる攻撃や技を見切り、経験しているからこそ為せるものだ

「それにしても興味深い…」
「よく分かんないけど褒めてるのか?」
「ああ、まあそうだな」
「なんだよそれ?でもセフィロスに褒められるってなんか嬉しいな!」
青年は無邪気な顔でにかっと笑う
バッツといる間、セフィロス自身も意識しない内に彼に影響され、戦いの辛さや疲労も忘れてとても穏やかな表情をしていた


「それにしても、よく見ている」
「だって、そうしないと真似して戦えないだろ〜」
なるほど、体で理解して動くのか
全く面白い輩がいたものだとセフィロスはバッツに興味津々である



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20110616



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