■(旅人+盗賊)×獅子

バッツが暴れるスコールを後ろから羽交い締めにし、目の前にはニヤニヤと笑いながら自分を見下ろし仁王立ちするジタン。混乱と動揺からスコールは苦々しく眉間の皺を深くする。
こんな状況になったのは、熟練者がカードゲームで大人気なく圧勝しただとか(そもそもスコールは大人ではないし、バッツの方が年上である)きっかけは些細な事だった。

いつものように各々の時間をテントで過ごしていた三人だったが、カードゲームをしようと提案したのはジタンである。
二人はスコールがカードゲーム好きなのは知っていた。以前に彼の持ち物の中にカードやゲームに使うボードが混ざっているのを見たことがある。
ジタンもカードゲームには自信があり、こっそりバッツと組んでスコールをはめようと企んでいたのだったが、予想以上に熱くなったスコールの方が一枚上手だった。
負けたスコールに罰ゲームを科すつもりが、その隙を与えてもらえず、耐えかねた二人が強行突破に出たのである。

「…何のつもりだ?」
「勝者のスコールくんにご褒美だよ」

この二人が考えることなんてロクな事はないのだ。耳元で鼻歌を歌いだしそうなくらいご機嫌になったバッツが顔の横で楽しそうに笑う。バッツがスコールの腕を押さえたまま、ジタンは膝をついてスコールの服に手をかけた。

「なっ…」

驚きに声を引きつらせたスコールは自分の置かれた状況をやっと理解した。

三人が異様に仲が良いのはコスモス陣営では周知の事実であった。元より人懐こいバッツとジタンに挟まれてはスコールが作る心の壁も意味はない。スコールも決して二人が嫌いなわけではなく、むしろその逆で、三人は直ぐに本心から打ち解ける仲間になったのである。
それが度を越して悪い遊びを覚えたのは、バッツとジタンの二人だった。女子が殆どいないこの世界に(女子と言えばティナ、コスモス、アルティミシアといった手も出せない存在ばかりで)、いい加減欲求も蓄まっていたのだろう。
体を重ねるには至らなかったが、友人としての一線を越えてしまった二人がターゲットにしたのはスコールである。
どんなに親しくなっても色恋の話になると口を堅くなる彼が、果たしてどんな反応を示すか興味が湧いた。純粋な好奇心とよこしまな欲求から、二人がスコールを押さえ込んだ冒頭に戻る。

「やめっ」

明るいテントの中で晒された肌は日に焼けることを知らず色白い。いつも着ているジャケットを脱がされ、シャツを喉元まで捲り上げられる。現れた胸の尖りにジタンが引き寄せられるように吸い付いた。
二人からの過度なスキンシップはいつものことだった。しかしこんな事は初めてでスコールは戸惑いを隠せない。
ぞわりと背筋を這う快感にスコールは耳まで顔を赤くして唇を噛み締めた。
左手でもう片方を撫で上げれば、段々と堅くなってくる。

「はぁ、んッ」
「スコール可愛い」

漏れる声を我慢しようとひたすら耐えるように喘ぐスコールに、バッツは頬を寄せキスを落とす。
その間にジタンは器用にバックルを外してズボンの前をくつろげた。意識を逸らされている間にスコールは自分のものを銜え込まれギョッとした。

「あっ、ジ、タン!」

温かい口内の感触が生々しく、ぎゅうぎゅうと巻き付く舌に思わず身を捩る。内股が震え、スコールは自分の熱が上がっていくのを感じた。

「スコールこういうこと初めてか?」

バッツの問いに黙ったままコクコクと頭を縦に降り頷く。噛み締めた口から時々悲鳴のような普段より高い声が漏れ、ジタンとバッツを煽った。
スコールは感じやすいらしく、バッツが耳や首筋を噛むだけで甘く喘いだ。素直な反応に気をよくしたバッツは後から横腹や胸へと手をのばす。薄ら汗をかいた肌がしっとりして柔らかい。胸の尖りに触れると大袈裟にびくりと体を揺らした。
よく見れば腰の辺りではジタンが音を立ててスコールを追い詰めていた。先走りと唾液の絡まった水音がやけに卑猥で耳に付く。

「っ…ぁ、も、いくッ」
「ん"ー?」

スコールはジタンの頭を掴んで放せと喚き始めた。どうやら限界が近いらしく、ジタンは上目遣いでスコールをちらりと見るも、無視するように顎を動かして両手を使い激しく扱き出した。バッツも追い打ちをかけるように両手で胸の尖りを強くつねる。

「う、ああっ」

ガクンと大きく肩を揺らし、声を我慢することも忘れ喘ぎ声をあげてスコールが達した。ぐったりと力が抜けた体がバッツの方に倒れる。

「お疲れさん、気持ち良かった?」
「…最悪だ」

顔を覗き込むと目の端がやや涙で滲んでいる。少しやりすぎたかとバッツは頭をかいたが、スコールは嫌なことであれば全力で拒否するだろうし、あながちまんざらでもないはず。その証拠にバッツが宥めるように頭を撫でても文句は返ってこない。
ジタンは顎や口のまわりについた精液を手の甲で拭い、テントの隅で口に吐き出された精液を手のひらにペッと吐き出していた。

「でも嫌じゃない?」
「…」

スコールの無言は肯定。
俯いたまま真っ赤に染まった彼を二人はお互い顔を見合わせると前後からぎゅうぎゅうと抱き締めた。言葉で聞いても素直じゃないのはとっくに分かり切ってる。

(…道を踏み外したな)
(やっちまったなー)
(まあ、いっか)

嫌ではないと思った。これは確信で、三人に誤魔化せない関係が生まれてしまった。



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20110823





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