長編 | ナノ
食事も終わり少し場の雰囲気も柔らかくなったところで、独眼竜が口を開いた。
「そういや真田。“紅氷柱”ってヤツはどこだ。」
……。
視線を感じて長を見やると、必死に笑いを堪えている顔がそこにあった。
もはや顔面が崩壊している。
あとで一発殴る。
「今回遊びに来たのは、正直そいつ見たさってのもあってな。」
甲斐と奥州の関係が正直よくわからないが、容易く自軍の情報を他国に教えるということはないだろう。ここは幸村様も適当にごまかすものと思っていると、
「あぁ、それは、なまえのことにござる。」
……ふたりは仲良し。
「アンタのことだったのか!Marvelous!!ますます気に入ったぜ、なまえ!!」
まべらすってなんだ。さっきから聞いていると、時々この男はよくわからないことを口走る。
「しかも、見目も随分と良いよなアンタ。こんな暑苦しいやつらの中に置いておくには勿体ないぜ。ウチに来ねぇか。」
「政宗殿おおおおお!!!」
「あー、冗談だよ。」
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