スーパーヒロイン


 君は正義を信じているのかと、悪役は驚いているようだった。
 最後に正義は勝つとでも思っているのか、そんなのは思い込みにすぎないんだよざまあみろと、笑っていた。
 あたしは渋い顔を作って、そんな悪役と対峙する。
 せっかく、そんな格好いいイメージを持ってくださっているのだ、ここは一つ期待に応えてやったほうがいいのだろうかと考える。
 だが、本当のところを言わせてもらえば、あたしだって正義なんか信じちゃいなかった。せっかくのイメージをぶち壊すようで申し訳ないが、そんなものは曖昧な幻に過ぎないってことぐらい、ちゃんと分かっていた。
 あたしが信じているのは正義ではない。あたしが信じているのは、あたしだ。
 だってあたしは最強なのだ。だから向かうところに敵はない、戦えば全部勝つ。ただそれだけのことなのだ。
「もう話は終わり?」
 では、またさっさと勝ってしまおう。
 だってあたしはスーパーヒロインなのだから。



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