孤独を背負って


 孤独を背負ってこの先の道を行く。
 覚悟も決まらぬまま、諦めもつかないまま。

 佇むおれの目の前には、どこまでもただ真っ直ぐに一本の道が伸びていた。
 どこまで続いているのかは分からない。果ては霞んで見えなかった。
「永遠に続いているのですよ」
 どこからか、奴の声がした。
「あなたは一人でこの道を行くのです」
 そう、あたりまえのように、笑って。
 それは、おれに突然つきつけられたさだめ。
 道に終わりはないと言う。孤独に終わりはないと言う。おれに、終わりはないと言う。
「この先続く無限の道を、せいぜい孤独にお行きなさい」
 そんなこと、おれは望んでないのに。
「これから続く無限の時を、せいぜい孤独にお生きなさい」
 そんなこと、おれは選んでないのに。



戻る
- ナノ -