正義


「ひょっとして、君は正義を信じているの?」
 その強い瞳のわけは。
「この世界には絶対的に正しいものがあって、何があっても最終的にはそれが報われると、いわゆる『正義は勝つ』ってやつを信じているわけだ?」
 だから何度倒れてもまた立ち上がるのか。挑みかかるのか。
「ああ、なにも馬鹿にしているわけじゃあないよ。むしろそういう考えは好きだなあ」
 ただ黙ってこちらを見据える瞳。決して有利な状況ではないだろうに、その強さは揺るがない。
 だからこそ。
「踏み付けて踏みにじって、そんなものは所詮ただの思い込みにすぎないんだってことを、思い知らせてやりたくなるよ」



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