どうなのかな


「何やってんだ?涼」
「あ、親父」
「そんな真剣な顔して鏡なんか見たりして。涼もお年頃かな」
「そんなんじゃねーよ、ただ」
「ん?」
「なんていうか、俺と親父と、ちょっとくらい似てるとこないかなあと思ってさ」
「似てるところ?」
「うん」
「どれどれ?そうだなあ……」
「やっぱり無理かな。そうだよな。親父と透だってあんま似てねえし」
「どうだろうな。こういうことって、よそから言われて初めて気がついたりするもんだからな」
「そうなの?」
「ああ、気付かないだけで、本当は似ているのかもしれない。おれと涼も、おれと透も、涼と透も」
「えー。親父とならともかく透なんかとは似たくねえなー」
「こら」



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