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創作メモ 24/4/10 Wed 15:54
 月曜日、僕はいつものように学校に行っていた。
 昨日一瞬だけ感じた安堵とか期待のような何かもすぐに日常の中に埋もれてしまい、ただ昨日の疲れとそしてすでに今日の疲れが僕の大部分を占めているのだった。
 そして、午前中の授業と休み時間をなんとかやり過ごした後の昼休みのことだった。ただぼんやりと廊下側の窓の方を向いていた僕の視界に、思わぬものが映ったのだ。
 それは間違いなく、昨日のあの人だった。
 僕は慌てて教室を飛び出し、その人の姿を探した。幸いなことに少し先を歩く後ろ姿を見つけることができ、僕は急いでその人を追いかける。今度こそ見失わないように。
 その人は廊下をまっすぐ行って階段を上へあがっていく。この先は屋上だ。それなりに生徒の姿もある中、誰も彼のことを気にしていないようなのが不思議だった。
「あの」
 彼に続いて屋上へと行ったところで僕が声をかけるとその人は振り向いた。ふと、もしかしたら彼は僕に気が付いていて、ここまで誘導してくれていたのかもしれないと思った。
「何ですか?」
 けれども、せっかくこうして話す機会を得たのに、僕はしばらく何も言い出せずにいた。
「昨日、街で会いましたよね」
 まだ考えがまとまらないまま、とりあえず僕は思いついたことから言葉にしていく。
「ええ」
「どうしてここにいるんですか?」
 そうだ、まさかまた会えるなんて思ってもみなかった。それも、学校で。
「実は、わたしにはやりたいことがありまして、その舞台にふさわしい場所を探していたところなのです」
「やりたいこと?」
「ええ」
 そこで一呼吸おいて彼はにっこりと笑った。そして答えた。
「わたしは、世界を手に入れたいと思っています」
「え?」
 世界?
「けれども、あなたもご存じのとおり、今のこの世界は、少し規模が大きすぎる」
「あ」
 ――人間が多すぎる、そう、思いませんか?
「ですからまずはその規模を小さくすることから始めないと、そう考えているのです」
 そうか、なるほど、だから。だから彼はあの時ああ言ったんだ。
「それがつまりどういうことなのか、おそらくもうあなたもお分かりでしょうから、あえて言うのはやめておきましょうか。どこで誰が聞いているか分かりませんからね」
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そしてなんとなくこれに続く
そのうち整理してちゃんと更新します
ていうかこれの前に昔書いた日曜の午後の話があったと思うのですが見つからない(多分昔すぎてサイトに載せてない(汗))
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