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創作メモ 21/1/8 Fri 22:03
「現在、女子が一名しかいない我が部において、逆ハー的展開だけは避けたい、いや、避けなければならない」
「は?」
「つまり、今後の話の流れにおいて、彼女との恋愛的イベントを成立させることができるのは、最大一名までだということだ」
「……一応、今のところ僕は君のその要望に応えることは可能だが」
「先輩にはすでに他に『彼女』がいるからいいとして」
「あれは『彼女』なのかな……」
「問題は、あいつがすでに彼女にメロメロだということだ」
「えっ?」
「気が付いていなかったとは言わせないよ」
「気が付いていなかった」
「マジか!」
「で、それの何が問題なの」
「何を言ってるんだ、大問題じゃないか。すなわち、その最初で最後の一枠がすでに埋まってしまってるってことなんだよ」
「……。君の、その妙なこだわりは、逆に自分の首を絞めることになってるんじゃないのか?」
「最初にあいつにこの話をしておかなかった、俺のミスだ」
「別にもう一枠ぐらい増えても問題ないと思うんだけど」
「そもそもだ。考えてもみろ、あいつは素直で分かりやすくて不器用で、超いいやつだ」
「そうだな」
「そんなあいつの恋が、うまくいかないわけがないだろう」
「……そうだな」
「…………」
「よし、カラオケにでも行くか。それともゲーセンにする?」
「……いいや、ファミレス」
「そっちかあ……」

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