晩晴



.







「今年の夏は、忙しくなかったんだな」
「ああ、去年までで終わりだ」
「一体どうしたんだ?10年間、ずっとのことだったろ」
「…その毎年会っていた奴が、去年死んだんだ」
「…それは、悪かったな。でも、いつもと変わりないから、わからなかった。言えばよかっただろうに」
「そうだな…。今度、一周忌で、飲もう。酒はまだ無理だが」
「…そうだな。いつまでも悲しむわけにもいかんか。ジェネシスも誘うか!」
「あいつはLOVELESSの話しかしないからいい…」
「そう言うな、構ってもらいたいざかりなんだ」





千夏、遠くからでもいい。
見守ってくれ。
それなりの仲間、それなりの幸せ。
お前の心臓からこぼれ落ちた全てを、なんともない日々を幸せに生きることを。
お前の代わりというわけでもないが、送ってみせよう。

千夏にもらった、あの日々にかけて。







俺と彼女の十日間







× ×


Back
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -