いまなにをしていますか?


夜風に乗って花弁が舞う。
今日はお前の誕生日を祝うパーティーが行われるらしいよ。
お前は何処にも居ないのにね。
誰に向けたパフォーマンスなんだかね、正直呆れてしまうよ。



そして、お前の仲間を名乗る奴等は招待されていたくせに、そんなパーティー意味がないと揃ってボイコットをしたようだ。
他国の要人も来ているようだしせめて礼儀として王女は出るべきではないかな?
家を捨てた俺にはもう関係ないけど。




こいつ等はまだ『ルーク』の帰りを待っているそうだ。
自分達が殺したのにね。変だね。可笑しいね。
俺の『ルーク』はもう何処にも居ないのにね。




花弁が舞って、俺の愛した朱い髪がその中に混ざる。
『ルーク』が帰ってきたと喜びで満ちたその場所から、俺は姿を消す事にした。
英雄『ルーク』の帰還に国は喜びに包まれるだろう。
平和の象徴として大事にされるだろうね。
『ルーク』に名前を呼ばれたけど、お前はあの子じゃないよね。
あの子じゃないなら、要らないんだ



「みゅぅぅ、ご主人様は帰ってきませんでしたの。悲しいですの。寂しいですの。」
「そうだね…、俺も同じだよ。」



メソメソ泣いているチーグルの子供をあの子のように頭に乗せて、俺はその場から完全に姿を消すことにした。



俺が待っていたのはあの『ルーク』ではないから、ね。



こんな場所に帰ってこなくても良いんだよ。
此処にお前の幸せは無いからね。
お前が生きていてくれるのなら、それだけで良いんだ。
あいつらの知らないどこかで幸せに生きていてくれたらと、それだけを願うよ。





敬具
(いつまでもきみをおもうよ)





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