今日はどんな日でしたか?


見るもの全てが珍しいのだとお前はいつも言ってたね。
エンゲーブで初めて自分で買い物をしたのだと、カイツールの港から初めて船に乗ったのだと…
初めて自分の足で歩く世界は、お前にとってはさぞ新鮮だったのだろうね。



初めてキムラスカの港へ降り立った時のお前の楽しそうな顔忘れられないな。
良い事もあっただろう、悪い事もあっただろう。
それでもその間のお前は確かに一人の少年として自由だった筈なのだから。



俺の名前を呼んで、楽しかった冒険の話を聞かせてくれたね。
楽しかったこと、怖かったこと、悔しかったこと、嬉しかったこと。
きっとあの冒険の間にお前は沢山成長したんだろうね。
それはきっと良い事なのだろうけど、でも、お前は外へ出ちゃいけなかったんだ。
大事に大事に鳥籠の中で守られていたら、こんな事にはならなかったんだよ。



死ぬ為に産まれたのだと本気で言うのなら、こんなに悲しい事は他に無いよ。



「俺がお前の生を望むだけじゃ足りないのか?」



困らせたかった訳じゃないんだ。
ただ、俺にはお前以上に大切なものなんて無かったんだよ、ルーク。
お前に生きて欲しかった、それだけなんだ。




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