取り出した便せんに、沢山の言葉を並べては、ぐしゃぐしゃに破り捨ててゴミ箱に投げ入れる姿をずっと見ていた。
一緒にアメリカに来てからと言うものの、日本に残した感情を捨て切れず、浮ついた心で練習に身が入らないまま、ただ日々を浪費するばかり。
書いては破り、書いては破り、何度も何度も同じ言葉を綴っては、泣く寸前みたいに顔を歪めて俯いたまま、
ため息は日に日に重くなるばかり。
「心の底から深く後悔してしまうほど、惜しいものだったのなら、何があっても、手放さなければ良かったじゃないか。」
カーテンまで締め切った薄暗い部屋で燻った君をもう見てられない。
君は太陽の下に居るのが良い。
「うるさい。」
もう、突然失くすのは嫌なんだ。
ぽろりと涙をこぼした君の根底にある心の歪みの原因は、子供だった俺の小さなプライドのせいであって、俺には君を慰める言葉もなにも持つ資格はないんだろう。
「償いはさせてよ。」
俺に出来る事なら何でもしてあげる。
今まで君の優しさに甘え続けていた分、今度は俺がどろどろに甘やかさせて。
「ねぇ、土門はどうしたいの?」
ねぇ、何でもかなえてあげるよ?
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