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『Dear』の後に自分の名前
『From』の後に土門くんの名前




土門くんがアメリカに行ってから一週間目の日曜日。
朝に覗いたポストの中に入っていた所謂エアメールの封筒には私と土門くんの名前が少し癖のある綺麗な筆記体で書かれていた。
糊付けしてから一度開封されたのか、少しよれよれになった封筒の送り主の考えが分からなくなった。






「…さよならしたのに、な。」






よれよれの封筒の上を慎重に開けて取り出した紙には一面埋め尽くす英文の数々。
なんだかくらくらと眩暈がしてしまう。






(私が英語が苦手なこと知ってるくせに、いじわるだなぁ。)






土門くんの性格がよく表れた、几帳面な手紙をそっと折りたたんで封筒に入れて、一行も読まずに鞄にしまった。




辞書を使えばなんとなく読めないことも無いのだろうけど、どうしても、その手紙を読む気にはなれなかった。








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