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予期せぬものを見てしまった場合、人の行動パターンは二極化されるのだと思う。
正直に見てしまいましたと白状するか、見なかった事にして黙って立ち去るか、だ。
時と場合にもよるのだろうけど、多くの場合に選ばれるように私も後者を選ぼうと息を潜めて静かに立ち去る筈だったのに、



「綾瀬ー何してんの?」



あっさりと見つかってしまう辺り残念過ぎるにも程がある。



「聞いてた?」



いつもの土門くんとはいっそ清々しい程正反対な土門くんの威圧感のある声と笑顔に私は頷く事しか出来なかった。




「ででで、でも、私、その、土門くんが帝国のスパイで部室裏でこっそり電話かけて、雷門の情報を流してるだなんて誰にも言わないから!!」



ある程度誤魔化せば良いのに馬鹿正直に言ってしまうなんて本当に馬鹿すぎる。

ふぅん、と土門くんはにぃっこり笑って私の腕を掴んで言った。




「弱味握られたからには四六時中監視しなきゃいけないよね?」




弱味なんて握って無いと腕を振り払いたかったのに、なんだかいつもと違う土門くんが怖かった。






咎人はどちら?






確かに笑って居るのに、どうしてそんなに悲しい顔をしているの…?





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