あの子の日常はゆっくりと歪んでいきました。
あの子とて一人で立ち上がった者では有りませんので、現在の少女に彼以外の手助けが居る事は理解していました。
自分に敬愛する先輩が居てくれたように、少女にも心から親愛出来る素晴らしい人が現れてくれれば、きっと少女は生きるために立ち上がるのだろうと、根拠も無く信じておりました。
そんな事決して必ず有るとは言い切れませんが、あの子はそう信じていました。
あの子の友人たちは素晴らしい人の条件にぴったりだと思っておりましたのであの子は自分の寂しさを押し殺して耐えました、
耐えたのです、、、
今となってはあの子のこの選択が正しいものであるかどうかは分かりませんが、この時のあの子にとっては確かに、唯一無二の素晴らしい選択肢であったのです。
あの子の先輩がどれほどの悪人かも知らずに、あの子は盲目的な信頼を4年たった今でも向けるのです。
まるで刷り込まれた小鳥のように、滑稽なままに信じているのです。
本当に、馬鹿馬鹿しい事ですね。
馬鹿で愚かで可愛そうな、可愛い可愛い私の愛しいあの子。
早く此方に引きずりこんでしまいたい。
砂糖菓子のように甘く甘く、私が愛してあげるのに。
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