傍観編 04





あの子は永遠を信じてはいませんでした。



今は少女に夢中である友人たちとの友情が永遠に続くものではないと知っていましたし、
ぬるま湯に浸かっているような平穏な学園の日々は決して揺るが無いものではないと理解していました。



あの子は、突然終わってしまう平穏の怖さをよく知る人でありました。



自分が寂しかろうが悲しかろうが、どうしようもない感情に押しつぶされてしまおうが、どんなに手放したくないものでもあっさりと失ってしまう事があるという事を、嫌と言うほど知っていましたから、友人たちが自分から離れて行こうが、自分の事を忘れてしまおうがそれはどうしようもない事であるのだと、悟っていたのです。



それでも、4人はあの子の友達で、この世界でのあの子を構成する為の欠けてはならない部品の一つでありましたので、少しの寂しさを感じられずには居られなかったのです。



其処は俺の場所だったのになぁと、内緒で泣いたあの子の姿は本当に誰も知らないのでしょう。
あの子がとてもとても寂しがりやであると言う事を知っている人間の殆どははあの子以外の人間に夢中だったのですから。






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