傍観編 01




日常を続けると言う事は素晴らしい事だと思いますが、とても保守的でつまらないものだと思いませんか?

『空から、女の子が降ってきた。』

それは比喩表現でも、夢見がちなわけでもなく、確かに現実に起こった事であるのです。
日常と言う現実にほんの少しの香辛料などは如何でしょうか。

空から降ってきた少女は、
ふわふわとしたとてもかわいらしい女の子で、
見たことも無い奇妙な衣服を身に纏い、
傷一つない真っ白な手で顔を覆ってさめざめと泣いていました。

彼女の持つ全てがこの時代にはとても珍しいものばかりでした。

その姿を見て、何人の忍たまが庇護欲に駆られたのか正確には分かりませんが、少なくは無いと言い切れます。

それを見て、考えごとに勤しむ子供は、
筋肉の付きにくい体でしたが努力して、うっすらと筋肉を付けることに成功した身体を誇っていて、
この時代では違和感のない忍者と形容される服を着ていて、
傷だらけのぼろぼろの手を顎に置き、じぃと女の子を見ておりました。

あの子の名前は、関口叶と言います。

少女の口から時々漏れる、『平成と呼ばれる未来から来た』という世迷い事は、混乱しているだけと、誰一人として信じてはあげませんでしたが、

あの子だけは少女の言葉を信じてあげる事が出来たのです。




そう、あの子もまた、神様のきまぐれによってこの世界に落とされた一人だったのですから。




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