過去編42





先輩と最後に分かれた日=命日であるならば、

その日まで約一カ月弱。

自分が帰る場所は一か所しか無くて、


質の悪い悪戯、もしくはオカルトじみたものであるかも知れなくても、出来れば、虎先輩による質の悪い悪戯程度の者で合って欲しいと思ってる。


本当は生きていて、何かの事情があって姿を隠していたけれど、事情が変わって自分に会いたいと思ってくれているのだとすれば、ただ嬉しいってレベルじゃない。


「先輩に聞いて欲しい事が沢山あるんですよ。」


見つけた瞬間からずっと握ったままの紙を指でなぞる。



とっくに押し入れは卒業して、閉じこもる事はやめました。
喧嘩が出来るような友達もできました。
前よりは少し上手に笑えるようになりました。
まだ実力は足りませんが得意武器も薬の知識も増えました。
後輩はとても可愛くてあの頃理解できなかったものが少し見えてきました。
もんじ先輩は不器用ながらにもまだ色々と気にしてくれます。
不器用なくせに優しい人であるので会計委員会は安泰だと思います。
トラウマが拭い切れなくて、色々と大変なこともありましたが、なんとか毎日生きています。



でも、先輩が足りません。




「寂しいです、先輩…」



会えるのなら今すぐにでも会いたい。
希望を持つくらいは自由ですよ、ね?





過去編 完






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テーマ「人外ファンタジー」
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