「やだ・・。」
進んでも進んでも、暗い森から抜け出る事は無く、あまりの恐ろしさに蹲って涙を流した。
出口も光も見えなくて、怖くて仕方ない。
ぐすぐすと、鼻を啜って、一息ついた時に、ようやく、自分の体の異変に気付く。
「あたし、ちっちゃくなってる・・・?」
着ていた筈の部屋着はいつの間にか、着た事も無い着物に変わっていて、
春の身体測定で計ったときは164cmはあった身長は140cmほどに縮んでいる。
ささやかながらでも合った胸の膨らみもしぼんでいて、あたしの記憶が確かなら、小学4年生くらいの時の体型に戻っている。
サァと血の気が引く。
落ち着かなきゃいけないのに、全然落ち着けない。
怖い、どうして?
さっきまであたしは、自分の部屋に居たのに、どうしてこんな森の中に居るの?
さっきまであたしは、一般的な19歳の女子大生だったはずなのに、どうして縮んでいるの?
「う、ぇっ、うぅ・・。」
どうすればいいかなんてわからなくて、啜り泣いた。
だって、こんなの、分からない。
こんな時の対処法なんて学校で習わなかった。
誰も教えてくれなかった、今まで読んだ本にも載ってなかった。
そもそも、こんな事誰が予想する?
怖い、怖い、怖い。
怖くて、悲しくて、いっそどうにかなってしまいそう。
た す け て
声にならない声に、返って来るのは野犬の遠吠えだけだった。
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