失踪編5






「ドクウツギ城主は、ものすごい変態らしい。」
「文次郎に言われるとは、同情するな。」
「おい、どう言う事だ!!」


ドクウツギ城から、そう離れていない森の中、お互いに集めた情報を話し合う。
結局、叶捜索のために学園を出たのは、
5年生からは、俺と、竹谷、三郎、雷蔵の4人。
というか、俺たちが出なくて誰が出るんだよ。
6年生からは、叶の所属する委員会の委員長を筆頭に、濃い面子が揃った。


「それは俺も聞いたぞ!なんでも、好みの女性を攫っては無理やり手篭めにするんだってな。」
「関口は男だろう?」
「見た目が良ければ良いんじゃないのかな?」


喧嘩を始めた、潮江先輩と立花先輩をよそに、七松先輩、食満先輩、善方寺先輩が続け、中在家先輩が無言で頷いた。


「作戦を確認しましょう。」


独自のルートで手に入れた、ドクウツギ城の見取り図を広げる。


「俺たちが、派手に暴れて、敵の目を引き付ける。」


潮江先輩の指がつつっと、見取り図の上をすべる。


「敵の目が、先輩方に向いている間に、俺たち4人が忍び込んで、叶を救い出す。」


三郎の指が、城の天守へ滑る。


「失敗は許されないぞ、気を引き締めてかかれ。」
「敵の陽動は俺たちに任せとけ、いけいけどんどーん!!」
「危なくなったらすぐに出て来いよ。命あってのものだ」
「・・・・・・」
「怪我をしないように、だって。それは僕も同感かな。怪我したら、無理しないようにね!」


6年生達と別れ、城の天守を目指す。
目的はただひとつ。
大切な友人を救い出す、為だ。





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